弟のほぼ文無し旅 7,8日目[沖縄] 〜弟、”思考”開始。〜
本日は7,8日目のレポートです。
この旅では、弟はお金を持たずに片道チケットだけで沖縄に行き、
帰りのチケット代と僕との飲み代を稼いたら帰ってきます。
僕は毎日弟と連絡を取っており、
記録したその内容をここでブログにしてアップしています。
いわば弟の成長記録です。
そんな身内ワイワイなブログですが、
ありがたいことにいろんな人が読んでくれているようです。
後輩のお母さんも見てくれてるそうな。
先日、弟の「甘え」をカレーのシミに例えたところ、
後輩伝いで「カレーのシミはシミ抜きしてから日光に当てるといいよ」
とアドバイスが来ました。
みなさんご存知の通り実際にカレーのシミなわけではないので、
「この人も俺の弟と同じでちょっとアレなのかな?」、
「いや、もしくはものすごい含蓄のあるアドバイスなのかな?」と、
弟の時と同様に悩みかけましたが、
もうこの悩み意味ねーわどうせ天然だろと思ってやめました。
天然に振り回されるのはもうこりごりです。
本当にカレーのシミがついてしまった時にぜひ使おうと思います。
また前置きが長くなってしまいました。
では、7,8日目です。どうぞ。
頑張っているのを見せるために、頑張る。
7日目、単刀直入に言うと僕がキレました。
いや、キレたというか怒ったというか喝を入れたというかですね。
とにかく甘ったれ根性が抜けない弟に厳しく言って聞かせました。
4日目のブログで「怒らない」ことが教育には大切だということを話しましたが、
やっぱ人間怒るときあるよね。
うん、だって人間だもんね。
弟から今日の報告。
— 川村哲也 (@Tetsu_studioao) 2016年4月18日
相変わらず行動に大きな変化はない。
店に入って「働かせてください」で断られて終わり。
どうしたら働かせて食えれるか聞くとか、
同じ店に何度も頼み込みに行くとか、
そういうこともまるでなし。
やはり「思考」がない。#弟のほぼ文無し旅
それでいて飯と風呂と髭剃りが欲しいから金を送って欲しい、と。
— 川村哲也 (@Tetsu_studioao) 2016年4月18日
さすがにズレてきているので、一喝入れた。
今まで話したことちゃんとわかってる?と聞くと、たいして覚えていないようだ。笑
弟はまだ怒られた時に「怒られた」と認識することしかできていないようだ。#弟のほぼ文無し旅
だってね、毎日毎日ただ漫然と店を回り続け、
なぜダメだったか、どうしたらいいかの思考も相変わらずなし。
1日に回る軒数も10軒やそこら。
いやいや、弟よ。お前はなにしに沖縄に行ったんだ?
俺から金をちょびちょびもらって生きるためか?
っていうか髭剃り唐突だな。飯と風呂と優先順位が同程度ってなんでだよ。
という疑問は飲み込みました。
あまりにも弟に変化がないので、きつめに言って聞かせる必要があると判断し、一喝入れました。
が、それもあまり響いた様子はない。
今までかけてきた言葉も覚えていないようだ。
なんで働かせてもらえないんだっけ?
どうやったら働かせてもらえる?
まず最初に話聞いてもらうためにどうしようか?
相手はなに求めてると思う?
etc...
現状ではなにも考えずに、「店回ってやる気見せなくちゃ。」状態です。
「頑張りを見せるために、頑張る。」というやつですね。無意味です。
「こんな状態ならやってる意味がない。何ヶ月もいたいならこれを続けたらいいけど。俺は最低限生命維持に必要なカネしか出さないよ。」とその日はキツく言いました。
「怒られた」という自分にまつわる事実の認識だけで、こちらが何を伝えようとしているかが全く見えていない。
— 川村哲也 (@Tetsu_studioao) 2016年4月18日
これじゃのれんに腕押し。ぬかに釘。
何を怒っているのか。何が悪かったか。どうするべきだったのか。まで考えられない。
他人の視点に立てていない。#弟のほぼ文無し旅
この日は僕としても手応えのなさを感じた日でした。。。。が、
弟、思考開始。
8日目。喝を入れてから一晩が明け、弟からLINEが来ました。
ようやく「思考」が始まりました。
事実に対して「なぜ」という原因の分析する姿勢が出てきました。
「逆の立場だったら」という他者視点も出てきました。
よかった。昨日の喝入れにも少しは意味があったようです。
分析の精度自体はまだ重要ではありません。
その視点が生まれたことが重要なのです。
たまには厳しくいうことも必要なんだなあと、自分を戒めつつ、
弟のささやかな、でもとても価値のある成長を嬉しく思いました。
そしてすかさず褒めーる。
褒めるは案外皆さん忘れがちですが、受取り手にとっては大きな違いです。
心地よい体験としてあげることで、もう一度同じことをしてみようと思えるのです。
思考したこと、大切なことに気づいたことを褒め、次のステップを提示します。
「してもらう」の特殊性に気づく。
そしてこの日はたまたま沖縄に移住していた友人から連絡が来たそうです。
泊めてあげるのは難しいけど、応援の意味を込めてと、食べ物をわけてくれたそう。
そんな髭気になる?
という疑問はもう一度飲み込みました。
↓そしてなぜこの撮り方にしたんでしょうか。弟はいつも僕に謎をくれます。
しかも、夜は飲みに連れて行ってくれたと喜ぶ弟。
↑ケミカルウォッシュのジャケットを着こなすオシャレ上級者のシュウくんです。
僕には着こなせません。高校からの付き合いだそう。
前日に喝を入れられ凹んでいたのもあり、
かなり優しさが沁みた様子。
「ちゃんと稼いでお礼したい」と言っていました。
大事です。
恩をきちんと感じることができる。
それを返そうという意志を持てる。
僕がこの旅で学んで欲しいと思っていた「社会との関わり方」の中で
とても重要となる感覚だと思います。
誰かに何かしてもらったと認識する力。誰かから受け取っていると実感する力。
そしてそれを誰かに渡したいと思う感覚。
子供のうちは「してもらう」ことが当然という感覚になりがちですからね。
社会の大原則が「交換」であり、「してもらう」はかなり特殊なコミュニケーションであることに気付ける良い機会でした。
大きな成長です。一気に「オトナ」に近づきました。
やっとこの旅の中で前進がありました。
読者の皆さんをやきもきさせてしまったがしれませんが、
本人なりに頑張ってはいるみたいですし、成功の見込みも一応ありそうです。
ご声援よろしくお願いいたします。
ここから先、社会の原則に少し気づけたことと、
思考がちょっとだけできるようになった弟の旅は大きく変わります。
いろんな人と出会い、そのご恩の中で成長します。
お楽しみにです。
余談
祝日法2条によれば、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことが趣旨である。1948年に制定。
−Wikipediaより引用
だそうです。子どもの人格を重んじるって難しいですよね。
やっぱり長く生きている分、自分の方が正しいと思ってしまう。
だから自然と子どもの発想すらも、
正解、不正解と単一の視点でを評価してしまう。
恐ろしいことです。個性が撲殺されます。
加害者は大人ですから情状酌量の余地もなしで、終身刑です。
善悪の区別はもちろん付けさせなきゃいけませんが、
オトナの発想の枠に収めてしまうのは良くないですね。
僕はできるだけ生徒のアウトプットに対して「いいね!」という言葉は使いません。
よく考えたね!という意味での「いいね」はいいますが、
考えた内容に関して、良いか悪いかの判断は極力下さないません。
なぜなら”僕の価値観で良いかどうか”はあまり重要でないからです。
「面白い!」とか「ほー!!」とか「そう来たか!」とか驚きを伝えつつも、
肯定的な反応をするようにしています。
この方の影響です。
この小学校先生がすごい! 子どもたちのやる気を引き出す数々の仕掛けとは | HRナビ by リクルート
たくさん真似させてもらってます、沼田先生。
(学芸大卒って面白い人が多い印象です。
もう一度大学に行くなら海外の大学か、学芸大が良いなあ。)
ということで、身近に子どもがいる方は、
今日だけでも子どもの自由な発想を肯定してみてください。
鯉のぼらせるよりもよっぽど大事と思います。
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このブログでは、弟が旅の中で成長していく様を、
愉快に楽しく、気ままにお送りしていきます。
いつ終わるか全然わかりません。
リアルタイムの実況中継はTwitterの僕のアカウントにて行っております。
#弟のほぼ文無し旅 #沖縄 でまとめて読むか、
もしくは、僕のTwitterアカウントをフォローしてください。
---放課後教室「studioあお」
イス職人体験も一緒にやってくれたピチピチ女子大生の発案で、
5/19(木)より「YouTuber体験‼︎〜君も今日からヒカキン!?〜」やることになりましたー!
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他にも5月はこんなことやる予定ですー。
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※イス職人体験のような1日のイベントではなく、毎日少しずつプログラムを進めていきます。
是非ともみなさんいらしてー。
体験授業は1回まで無料です。
コンセプトは「個性をそだて、社会にふれる。」そんな教室です。
※生徒に文無し旅をさせたりはしませんのでご安心を。
これは弟限定のプログラムです。
放課後教室「studioあお」
〒602-8374
京都市上京区一条通御前西入ル3丁目西町72
お問い合わせ:http://studio-ao.school
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